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悪を犯すすべも知らないと言ったはずの天使が、なんの罪もない何百人という哀れな小人たちを、顔色ひとつ変えずに殺してしまうとは!なんという恐ろしい行為、見ただけで、わたしたちは吐き気をもよおした。(中略)
しかし一方、彼は相変わらず話しつづけ、あのなんともいえぬ、音楽にも似た美しい声で、またしてもわたしたちの心をつかまえてしまうのだった。わたしたちは、すべてを忘れてしまった。ただ彼の言葉に耳を傾け、彼を愛し、彼の奴隷となり、彼の思うままにあやつられているだけであった。(中略)
「残忍なことをやるのは、良心なんてものを持っている人間だけなんだ。そりゃ獣も人を傷つけることはあるよ。だが、それは無心でやってるんであって、したがって、けっしてそれは悪じゃない。(中略)
悪なんてあるのがそもそもおかしいんだよ。良心なんてものがなければ悪なんて存在するはずがない。ところがだよ、君、この人間てやつは、あまりにも頭が悪いわからずやなもんでね、この良心があるおかげで、下劣も下劣、あらゆる生物の最下等にまで堕落しきってるってわけさ。」(本文引用)
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