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今が、その時だ 『WORLD JOURNEY』 

本日久々かつおもむろにヴィレッジヴァンガードに寄りましたらこれがまた全開自遊空間で、雑多な商品を店員自らのこだわりのままにPOPで紹介する遊び心に打たれ、数瞬自分の進路を忘れこの店の店員になりたくなるほどユートピア。この店にいると自分のネジが吹っ飛んで、嗚呼世界はこんなにもバカで満ちてるんだと変にトリップしてしまいます。とにもかくにもかくわけで、自らの混じりけのない感情を自らの言葉を使って表現できる店員さんがマジかっこよく映りまして(商品にワンピースのおっぱいマウスパッドを仕込んじゃうあたりマジかっこいい!)、迷える子羊(21)がそんな店員さん方のソウル・ヴォイスに感化されて買っちゃった本がこれだ!


WORLD JOURNEY
WORLD JOURNEY
posted with あまなつ on 2010.08.16
価格:
A-Works(2005-09-08)
売り上げランキング: 8403
おすすめ度の平均: 3.5
5人生を変えた一冊★
5世界一周
5ご対応ありがとうございました
1ロストジェネレーションのバイブル
1駄本。お金がもったいない。



世界一周しちゃえば?

できるかバーローwwwwと突っ込んだ時点で僕の負けでした。
高橋歩のことは旅行好きの友人から話だけ聞いていて、読んでからあーこの人だったんかと認識。


POPの紹介文と煽り文句に釣られて買っちゃったんですが、世界一周の準備や起こった出来事、オススメスポットなどを実際の旅行者にアンケートしていく内容で、読んでいて自分のワクワクがなんとなく空回りしている感覚でした。ただカッコいいレイアウトに収められた数々の旅行中の写真はパワーを帯びていて、じっと引き込まれます。


自由人高橋歩が結婚3日後に、妻を引き連れて世界一周の旅行に出た時のざっくりとした感想も掲載してて、主観バーストの高橋歩の文章(なんとなく押尾学を思い出した)と、ひかえめで落ち着いているのが対照的な妻さやかさんの文章のコラボが面白い。けどなんといってもこの人の魅力は、巻末に載せられた彼の実感から生まれる短文で、“自分のカラダの中心が感じたビートだけが頼りだ”“TOKYOにいると、「耳をすます」ことが少なかったな”とか真顔で言っちゃってるのを想像すると腹ねじきれそうになるほど笑ってしまうんですが、それでも文章から目が離せない。そして、自分に問いかけてしまう。今俺は何がしたいんだ?って。ははは、笑えよベジータ(遠い目)


この本は中途半端に便利情報を仕込んでしまった半端さがどーにも失敗してると思うんですが、それでも高橋歩という人物に大きな魅力を感じました。飾られた言葉でなく、実感だけを取り出して表現しようとする彼の試みを、笑うことはできないなと。いや時々笑っちまうけど、でも笑えない。心に迫ってくるそんな感覚。そしてIt's so cool.


オレの実感。それだけをコトバに。
アナタの実感。それだけを聞かせてほしい。


It's so cool.そうありたいね、そうありたい。
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

『読書入門 ?人間の器を大きくする名著?』 齋藤考

みなさん、齋藤考さんはご存じでしょうか。
明治大学文学部教授なのですが、50才になるのにスッキリした外見で、世界一受けたい授業や他のTVでコメントしたりしているのでご存じの方も多いかと思います。教育とかビジネスに関して馴染みやすい言葉で、多岐にわたる内容の本を書いております。今回はそんな方の本の紹介。

読書入門―人間の器を大きくする名著 (新潮文庫)
価格:
新潮社(2007-05)
売り上げランキング: 27127
おすすめ度の平均: 5.0
5「罪と罰」をもう一度、こんどこそ。
5紹介本の雰囲気とたたずまいが見えてくる、良質のブックガイドです


最初は、blogで本の感想やら紹介をするにあたって書き方が参考になるかな?と、内容よりも形式などが気になって読み始めたのですが、気づいたらその紹介にどっぷりハマっていました。

本の紹介は50冊。自伝にノンフィクション、心理・哲学、歴史に神話、文学・小説と多岐にのぼっています。著者の読書法は1ページ目からでなく面白そうであったり役立ちそうなところから読むというものなのですが、これは誰もが気になった本(ページ)から気軽に読んでいって楽しめる本。そういう読み方がいいと思います。

この本の紹介の中で、特に歴史分野の司馬遼太郎作品、アウシュヴィッツ強制収容所を描いた『夜と霧』、絵本『ギルガメシュ王ものがたり』、神話学の世界的権威ジョーゼフ・キャンベルの『神話の力』などが猛烈に読みたくなりました。なんというか、歴史や自伝などの、偉人の『リアリティ』がより実感できる作品を読みたくなったといいますか。ジョジョの岸辺露伴が「ところで君たち『おもしろいマンガ』というものはどうすれば描けるか知ってるかね?『リアリティ』だよ!『リアリティ』こそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり『リアリティ』こそがエンターテイメントなのさ。」と言ってますが、自分の経験に基づいた‘本当'を埋め込んだものが文章であれ何であれより面白いものなのであって、小手先だけの空虚な作品はそれこそ空しいものだと思います。blogなどをやっている以上は、彼ら偉人が紡ぐ‘リアル'みたいなものを取り込んで、そこから感じた自分のリアルを文章化して書けるといいなと思ったりします。

感動した作品の影響で、その文体に染まることは一向に構わない。子供の頃、私はレイ・ブラッドベリーを読めば、レイ・ブラッドベリーそっくりに書いた。(中略)ラヴクラフトに傾倒すると、凝った言葉をふんだんに使い、思いきり手の込んだ厳めしい文章を書いた。(中略)数多く読んで、絶えず自分の作品に手を加える努力が独自の文体を生むのである。

本の一番最後に紹介されている、スティーブン・キング『小説論法』の抜き書きより



読書に没頭したい人により意欲をあたえてくれる本だと思います僕はそうなった!
「よく読み、よく書く。」とりあえずこれを基盤にして、残りの学生生活に没頭していきたい!


テーマ : オススメの本
ジャンル : 本・雑誌

血液型の話『AB型 自分の説明書』

母上が、そこそこ前に流行った血液型に関する本を借りてきたのです。
「読みたかったー☆」とかなんつって。

AB型 自分の説明書
LINK
Jamais Jamais (著)
発売日:2008/6/13
ググったら本だけでなく、DSのソフトやDVDが出てました。どひゃー


母上はかなり単純なタイプの人で、爆笑問題の田中さんみたいに物事に対して素直な感情を表すというか、いい意味ですごく人間らしいな?、自分にはない良さがあるな?と常日頃思っているのですが、「これ当たってるー!」とか「え?!ガクッ・・・」とコロコロ反応する様子が面白くてチラッと読んでみたのです。
あ、うちの家族は父上以外皆AB型です。


・「これ一筋でガンバってます」しない。
・でも脇道にそれたらその道をすごいガンバる。
・そして戻ることはない。二度と。
・複数のことをまとめてガーっとやっちゃいたい。
・で、やったらできた。ヤッター!
・っていうつまんないダジャレには微笑み返しする。無言で。

『AB型自分の説明書』より引用




イラッ(`・д・´)



・上のように、AB型の特徴と思しき心情の羅列が続いている内容です。
・結局こいつは何を考えてるの?って文ばっかり。でも面白いのです。
・イラッとするんですけど、面白いのです。
・複雑に変化する心情が、自分でもよく分からないけど納得しちゃうというか。
・その事実にまたイライラする!
・あーこの形式、自分で書いててイライラする!


あくまで傾向であって、自分は血液型だけじゃ括れないぜ!色んな‘今まで'が僕たちを形作っているんだ!僕たちの人生はこれからだ!アリコの(ryみたいな締めで括られているのですが、確かにこの本に出てくる色々な姿は、自分の中の在りようの一つを示してくれる本だな?と思いました。
軽妙な文体で複雑怪奇な人間の心情をうまく出してるな?、色んな自分をより認識するのに役に立つな?と。
当時は先入観でシャットアウトしてましたが、読むとけっこう面白いのです。


私はAB型ですが、よく言われる二重人格みたいのを幼い時から自分で認識していまして、それを指摘されるのをビクビクしていた過去もあり、どうしても血液型で性格判断みたいのが好きになれなかったのです。
A型は几帳面でO型は大雑把?って、生まれながらにして人間を4分の1に括れるかい!とか思いつつも、俺ってAB型の典型だよな?という意識がこびりついていて、それが悔しくて悔しくて。


皇族とか、諏訪大社の早苗さんの一子相伝とか、実際には血統というのは重んじられてきたものですので、それに付随して両親から一つずつ受け取って出来上がる血液型というのは何かしら影響があるんだろうな?と思いつつ、悔しいけど自分を定める物の一つだと認めつつ、何よりも血液型の話って面白くて盛り上がるんだよな?とこの本を読んで少しタガが緩くなったのでありました。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

ゼミ生が学生に勧める本まとめ

ゼミ生が学生に勧めるオススメ本
というわけで、以前の記事でも予告していた、私の所属するゼミ生がレジメを作成して、紹介しあった本のまとめです。
いかにも大学生が好きそうなやつから、ちょっと気取ったものまで計11冊。
各人が思い入れのある一冊です。

模倣犯
LINK宮部みゆき 小学館(2001/03)
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。直木賞受賞作『理由』以来三年ぶりの現代ミステリー。

SMAP中居君がでてた映画にもなりましたね。
紹介してくれた方のレジメが「絶対損はさせません!」と訴えていました。
宮部みゆきさんの本は何か1冊読んでいたはずなんですが、思い出せませんorz
文庫本5巻分という超大作。




不思議な少年
LINKマーク・トウェイン 251ページ 岩波書店(1999/12)
16世紀のオーストリアの小村に、ある日忽然と美少年が現われた。名をサタンといった。村の3人の少年は、彼の巧みな語り口にのせられて不思議な世界へ入りこむ

私が紹介した本。絶対的な視点から人間を醜く愚かしいものとして描いていると紹介すると、君はこういう暗い本が好きなのかと聞かれてしまいましたorz
人間のどうしようもない側面について、学生のうちに知った方がいいのではと思いこの本を紹介したまでで。オチで評価が分かれますが、名作なのは間違いないです。本の紹介記事はこちら




ふしぎの国のアリス
LINKルイス・キャロル
上着を着て、懐中時計を持ったおかしなウサギを追って、穴の中へ入りこんだ。残酷なトランプの女王、おかしな猫…。ふしぎの国で体験する少女アリスの冒険。

アリスインワンダーランドッ!
小さな女の子に恋したおっさんが、その子に振り向かれたくて描いた作品が大ヒットしたのがこの作品。
恋は敗れたようですが、『ロリータ』を描いたナボコフさんといいなかなか外国も進んでますよね、ロリ的な意味で。
アリスをモチーフにした作品もたくさんあるし、これは読んでおきたいなぁ。




ガリヴァー旅行記
LINKスウィフト
船医のガリヴァーが航海に出て体験したふしぎな国々「小人国リリパット」「大人国プロブディンナグ」での奇想天外な事件を記した旅行記。

冒険譚でありながら、当時の政治情勢を風刺したといわれる強烈な作品。
ラノベしか読んでない私の友人が懸命に紹介すべき作品を探して、この本を紹介してくれました。
先生受けもよかった気がします。よく頑張ったよ友人君!




アヒルと鴨のコインロッカー
LINK伊坂幸太郎 384ページ 東京創元社(2006/12)
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!

大学生を中心に今、大人気の伊坂幸太郎さんの作品。映画化もされました。
軽快で読みやすいのに深い仕掛けがあってハマってしまうのだとか。ライトノベル好きにも好評みたい。
う?ん、読みたくなってきた。




猫はなぜ絞首台に登ったか

東ゆみこ 214ページ 光文社(2004/06)
次第に都市化しつつあった十八世紀なかば、パリの印刷工場で起きた事件は異様だった。そこに勤める職人たちが、猫を一匹残らず集めてきて、皆殺しにするという事件が起こったのだ。都市化と人・動物の関係を神話学の物差しで読み解く一冊

Amazonにおいてませんで、リンクなしすいません!
18世紀ごろのヨーロッパは動物に対して異常な感情を燃やしていたようで、何故こうなったし!とその関係性に迫っていく作品のようです。非常に優秀な学生が紹介してくれたので、爪の垢をいただくつもりで読んでみます。神話も好きですし。




食品の裏側―
みんな大好きな食品添加物

LINK安部司 244ページ 東洋経済新報社(2005/11)
食品添加物商社の元セールスマンは『食品の裏側』の中で、毎日の食に潜む危険性を指摘する。添加物の大量摂取によって「子供たちの舌が壊れていく」と警鐘を鳴らす

ハラワタから臓器を引きずりだすような、ダークな作品が好きな友人が、流石にそういう本を紹介するのはまずいだろ・・・ということで次点として選んだ本。いや日常面でものっすごくダークですよこれ。本来廃棄するはずの油で固めてハムは売られてるとか、やめてー><あとハンバーグも食べたくなくなりましたorz




きよしこ
LINK重松清 291ページ 新潮社(2005/07)
少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと―。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい小説。

重松清さんの短編集。紹介者によると、重松さん宛に障害を持った子の母親から手紙が来て、インスピレーションを受けたとか。なんかもう内容紹介からして、ロンリーな学校生活を送ってきた私には刺さってきます。あの時彼に言いたいことが言えていればッ!(泣)




座右のゲーテ
LINK齋藤孝 218ページ 光文社(2004/05)
ゲーテが教えてくれた仕事のヒント、生き方のヒント。自分の立ち位置が分からなくなったとき、何か壁に突き当たったとき、本書を開いてほしい。


作者自身が学者として悩んでいたときに、ゲーテの言葉で救われたそうで。
つらつらとマインドアップできるようなゲーテの言葉が並んでいるみたいです。
こういう一冊を懐に忍ばせておくと良さそうですね、精神的に。




魍魎の匣
LINK京極夏彦 1060ページ 講談社(1999/09)
箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ

本屋で特集されているのをよく見たことがあります京極夏彦さんのミステリシリーズ。
アニメも漫画も映画化もされている作品。現代のシャーロック・ホームズが解決していく感じでしょうか。
中古が安かったので購入してしまいましたが、1060ページという分厚さ。
時間的にも季節的にも、夏休みを使って読もうかなぁ




空の境界
LINK奈須きのこ
2年間の昏睡から目覚めた少女・両儀式が記憶喪失と引き換えに手に入れた、あらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”。非日常の世界は、日常の世界と溶け合って存在している

これを紹介してくれた勇者は、あまり内容をレジメに書いておらず、先生の質問攻めにあっていて、ものっすごく胸が痛みました。無茶しやがって・・・。正直、万人向けではないです。独特の那須きのこワールド入門・・・というにはあまりにも長い作品。ただゾクリとするような表現の深さに圧倒される部分は確かにあって。私は好きです。




計11冊の紹介でした。
気になる一冊があったのならこれ幸い。生きている価値があったッ・・・。

先生曰く、文章を書く力は書いてつくのではなく、読んでつく
素晴らしい表現をなしている本を読んで、私たちは自然とその文体を覚え模倣していくのだと言っておりました。
文章は模倣。読んで無駄などないのです。というわけで本を読みましょうぜ!と自分に語りかけ、これにて。


あと遅れてしまいましたが、HPのフォームからのコメント返事は追記にて。

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テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

最奥に触れてみよう 『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』

すごい本を読みました。まだ読み途中なのですが。
経過報告以外では読み途中で紹介するのはなんとなく避けていたのですが、
この本を読んでそんな考えは銀河の果てまで吹っ飛んでしまいました。
『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』
村上春樹、河合隼雄に会いにいく
上の文庫版の帯の文章は少しやらしいお言葉ですが、
私が持っているハードカバー版の帯の文章は、
現代に生きることを最も深い場所から問う、魂の贈り物

村上春樹氏と河合隼雄氏の対談を本にしたものです。
といっても改まった対談ではなく、のんびりと世間話をしたり、ビールを飲んだりしながらリラックスして語り合ったのをまとめた本で、文章も平易で分かりやすいのです。それでいて人の最も深い部分を穏やかに指摘した、目からウロコの心の対話。生き方、人との結びつき、日本と世界、夫婦の形などいろんなことを学びとれます。まだ途中ですが><;

昨年、1Q84が大ヒットしたことでまた世に名を轟かせた作家の村上春樹氏ですが、河合隼雄氏は皆さんご存知でしょうか。
ユング心理学を日本に広げた第一人者で、たましいの文章を書く人。
私のゼミの先生は、「もしこの著者の名前を知らないとしたら、あなたは自分の教養のなさを恥じるべきである。」と言っております。もじもじ・・・///

*以下本文引用。『ねじまき鳥クロニクル』は村上春樹氏が書いた小説

村上 ただ、ぼくが『ねじまき鳥クロニクル』に関して感ずるのは、何がどういう意味を持っているのかということが、自分でもまったくわからないということなのです。これまで書いてきたどの小説にもまして、わからない。(略)今回ばかりは、自分でも何がなんだかよくわからないのです。たとえば、どうしてこういう行動が出てくるのか、それがどういう意味を持っているのかということが、書いている本人にもわからない。それはぼくにとっては大きいことだったし、それだけに、エネルギーを使わざるをえなかったということだと思うのです。

河合 芸術作品というのは、絶対にそういうところがあるだろうとぼくは思います。そうでなかったらおもしろくないのではないでしょうか。作者が全部わかってつくっているのは、それは芸術じゃないですね。推理小説とかそういうのはカチッと仕掛けができているわけですが、そうではなくて、芸術作品になってくると、作者のわからないことがいっぱい入っていて当然だと思います。ただ、こうだということはわかるんですね。こうでなければならないという意味みたいなものを考えていたら、絶対にできないと思います。

村上 もちろん、終わってからほかの人が読んだり、批評家が読んだりするのと同じレベルでテキストとして読んで、自分で考えることは可能なんですね。ただ、いちばん困るのは、ぼくが一人の読者としてテキストを読んで意見を発表すると、それが作者の意見としてとらえられることなんですね。

河合 作者の言っているのがいちばん正しいと、思う人がいるということですね。そんなばかなことはないのですよ。



村上氏は言います。作者の本を読んだ、作者自身の感想というのは、あくまで一つの意見にすぎないものだと。
この文章を読んで、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者、荒木飛呂彦氏を思い出しました。
彼はジョジョのセリフを改めて読んで、笑って「書いた覚えがない」と感想を述べるのです。「考えて描いていないんですよね、超いい加減ですよ(笑)」と。

なんていうか芸術みたいなものは、作者自身を超えでた部分があるからすごいのであって、これはこうで、次はこう来て・・・と理屈を積み重ねっていくものではないのだなと思いました。
そうでないと作品が作者の考えを超えることができないから。

作者が作品に対して集中の限りを尽くし、自己を埋没していくような作業の中で、その人の無意識を取り出したものが芸術の妙なのかなと。それは自分のblog更新にも言えることで、世の中に文章を出しているからには、せめてちっぽけな自分の頭を超えるぐらいの文章はかかねばならねと思いました。
また同時に、受け取る側に立つ時は、「これはこういう意味で・・・」と理屈の上に重ねられた評価より、何より感性に基づく判断を大切にしなければならないと感じました。


私は今、人間の深いところをこんなにも平易的で分かりやすく伝えてしまう河合隼雄さんにどうしようもなく惹かれているッ!今すぐには無理だから、時を経て老人になったときにこんな表現ができるようになりたいと思うこともどうなんだろう!なんか、そんな感じであります。

私は何冊か両名の本を読んでいましたが、この本を読むにあたって彼らの本を読んでなくても全然大丈夫です。万人にオススメしたいっ!!それだけ魅力的な二人の対談でして。
「儲ける」という字を分解して「信者」になりそうな勢いです。
ちょっと河合さんの本買ってくる!通販ですが

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

私は稲妻を浴びた。『イビサ』村上龍

*電波で長くてちょい危険な記事。
時間がない方HI・KI・KA・E・SE!!




私の所属するゼミで、学生に勧める本をそれぞれが紹介する機会があり、
それをまとめたものを日記にしようと思っていたのですが、都合が悪く後日。
今日は本つながりで、別の本の紹介をします。

世の中には、「私の人生を変えた本」という紹介があります。
この本を読んでなかったら、今ここでこういう生き方をしていることはなかったであろうという本。

バクマンを読んだら
「あーこんな若い子達がこんなに頑張ってるんだ!俺もがんばろう!」
と勇気づけられ努力する気になるような、物語に触れて心境が変化し、新しい行動に結びつくことはたまにありますが、
ワタクシ、人生が変わるほどの物語との出会いはまだ果たしておりません。



ただ、「私の人生を変えた本」というには大げさですが、
「すごい衝撃を受けた本」ぐらいでなら一冊挙げることができます。
村上龍 『イビサ』
LINK
文庫: 273ページ
発売日: 1995/04
ある意味、私が一番オススメできない作品です。


物語でこういう発言がありますよね。
「世の中には知らない方がいいこともあるんだ。お前は知らなくていい」
こういうセリフが出ると大抵言われた方はその衝撃の事実を知ることになり、
言った方はショックを受けた人を見て「だから知らせたくなかったんだ」的な反応をします。
言われたのが主人公の場合はそのショックを乗り越えて、諸悪の根源に立ち向かってハッピーエンドを迎えるという展開が予想されますが、私もこの本を読んだ時は衝撃の事実を突きつけられたような感じでした。
そして、知っている立場としては、皆さんには知って欲しい気持ちを持ちながらもこういいたい。「世の中には(ry。お前は知らなくていい」と。


つまり、めちゃくちゃショック!!読後の私はといいますと、今までの自分の考えを全否定され、最初は「そんなバカな」と否定しつつも、日を追うごとに自分の中にじわじわと作者:村上龍の考えが侵食してきて、耐えられなくなるという状態でありました。
読んだのは半年以上前。今もまだ胸に打ち付けられた楔が消えていないわけではないのですが、こういう観点もまた存在するのだ・・・ぐらいには立ち直っている気がします。新しい視点を得たのは間違いないので、この本を読んで良かったのか悪かったのか・・・、それは今後の私次第で、まだ判断は早計。


ストーリー
娼婦のマチコは身元のよくわからない外人に誘われ、パリに。
自分の意志が人格化した存在(スタンドみたいな)に気づき、なんとか身を売られるのを免れる。
それを機に、セックスとドラッグと宗教に彩られた退廃的な旅を続け、自分とはいったい何なのかを探しつづけるマチコ。
イビサに辿りついた彼女を待っていたものとは!?



イビサ(スペインの島)で衝撃のラストが待っているのですが、読後は
「で、結局何が言いたいの?」
という感覚が拭えないんですね。後ろから何かで殴られて、でも何で殴られたのかまだ分からないような感じ。
で、あとがきを見て、やっと納得する。
この物語の全てが、このあとがきまでの布石であって、もしかしたら村上龍は己のあとがきに示した感覚を伝えたいがためにこの小説を書いたのではないかと(少なくとも私はそう思いました)。彼の感覚を受け入れるか否かはまた別問題ですが。


「脳にフルパワーをかけ、針がレッドゾーンに入ってもパワーをゆるめず、ターボ・チャージャーも使った」と語られる、村上龍 魂の一作。
退廃的で性描写が激しく、村上龍独特の表現があるので万人向けでは決してありません。ただ、私はこの本を読んで稲妻を浴びた。






で、投げっぱなしで終わるのもいいのですが、私が衝撃を受けたあとがきの一文を紹介しようと思います。
本を読まなければ衝撃は感じないし、納得もしないし、意味不明で、何を言ってんだ?で終わると思いますが。
絶望的なまでにネタバレであり、ある意味読む前に知っておくと良いあとがきの一文は、追記にて。

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テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

『不思議な少年』 マーク・トウェイン

人間に絶望し、それでも前に進みたい人へ

不思議な少年 (岩波文庫)不思議な少年 (岩波文庫)
(1999/12)
マーク トウェイン

商品詳細を見る

皆さんはトム・ソーヤの冒険をご存知でしょうか。
タイトルは聞いたことがあるけど、読んだことはない人が多いと思います。
その本の著者、マーク・トウェインの最後の作品がこの『不思議な少年』です。

舞台は16世紀のオーストリア、敬虔なクリスチャン達の小さな村。
サタンと名乗る全能の天使が、3人の少年達の前に現れます。
時間を越え、距離を越え、人の運命を変え、人間の愚かさを次々と暴いていくサタン
人間の本性を垣間見る中で、主人公のテオドール少年は戸惑いを感じるとともに、サタンの完全なる魅力に引き込まれます。

悪を犯すすべも知らないと言ったはずの天使が、なんの罪もない何百人という哀れな小人たちを、顔色ひとつ変えずに殺してしまうとは!なんという恐ろしい行為、見ただけで、わたしたちは吐き気をもよおした。(中略)

しかし一方、彼は相変わらず話しつづけ、あのなんともいえぬ、音楽にも似た美しい声で、またしてもわたしたちの心をつかまえてしまうのだった。わたしたちは、すべてを忘れてしまった。ただ彼の言葉に耳を傾け、彼を愛し、彼の奴隷となり、彼の思うままにあやつられているだけであった。(中略)

「残忍なことをやるのは、良心なんてものを持っている人間だけなんだ。そりゃ獣も人を傷つけることはあるよ。だが、それは無心でやってるんであって、したがって、けっしてそれは悪じゃない。(中略)

悪なんてあるのがそもそもおかしいんだよ。良心なんてものがなければ悪なんて存在するはずがない。ところがだよ、君、この人間てやつは、あまりにも頭が悪いわからずやなもんでね、この良心があるおかげで、下劣も下劣、あらゆる生物の最下等にまで堕落しきってるってわけさ。」
(本文引用)


サタンが示し、少年が見ることになる、わたしたち人間は、あまりに不思議で滑稽です。全てを見下ろすことのできる目で見たときの、人間の心や幸福の頼りないことといったら!
それでも、テオドール少年はサタンの人間批判に対して必死に抗います。その姿からは、不幸の連続で人間不信に陥った、晩年のマーク・トウェインの苦悩がありありと伝わってきます。
また、サタンはいいます。人間には強力な武器があると。
この小説は単なるペシミズムに彩られただけの作品ではありません。
絶望の人生の中でそれでも光を見出そうとした作者の、人にとっての救いの答えを見つめてみてください。


不思議な少年 (1) (モーニングKC (772))不思議な少年 (1) (モーニングKC (772))
(2001/10/23)
山下 和美

商品詳細を見る

この小説がモチーフになっていると考えられている、山下和美が描くコミック『不思議な少年』も非常におもしろいです。全能の少年が時を越えて戦国に行ったり、ソクラテスに会ったり。

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